霊子線が切れなかったエルの物語

 その後、法友のKさんが来られました。何でも、肉体的に死となれば、肉体をそのままにしておくと、すぐに肉体が痛んでしまうのではないかと。だから、生き返ることは難しいのではないか、と心配をしてやって来られたのです。
 以下はそのときの会話の内容です。

【Kさん】 こんにちは!
 先日は、仏陀の時代でも3か月の間、仏陀が幽体離脱して天上界である忉利天(とうりてん)に昇り、実母である摩耶夫人に説法されたという事実があることを教えていただき、ありがとうございました。
 ところで、医学的には肉体的死があれば、ほどなく肉体は傷むというのが常識で、魚だって1日以上そのままで放っておくと腐ってしまいます。もちろん冷凍で保存することはできますが、その場合は、肉体の組織全体が凍結しますので、生き返るのは難しいと思うのですが、どうなんでしょうか?

【お助けマン】 おっしゃるとおりです。生き物が肉体的死を迎えると、そのままで放置すると実際に肉体は傷みます。ところが、生き物には霊子線と言うものがあるのです。Kさんは霊子線があることを知っていますか?

【Kさん】 はい、幸福の科学の経典の『永遠の生命の世界』で学びました。人間には霊子線があって、それが肉体とがつながっている限り死ではないと・・・。

【お助けマン】 そうです。霊的には霊子線が切れて初めて死となるのです。ですから、人が心肺停止し、医者が死と認定しても、霊子線がつながっている限り、それは死ではないのです。そして、肉体的死から個人差はありますが、だいたい24時間で霊子線は切れるので、その間、荼毘に付してはいけないと言われています。

【Kさん】 ああ、だからお通夜があって、すぐには肉体を焼かないのですね。

【お助けマン】 そうです。だから昔の人たちはこのことを知っていたのです。ところが、大学の医学部を出た頭の良いと言われる医者の人たちは、こんな基本的なことすら知らないのです。どうして頭が良いと言えるのか、疑問ですね。

【Kさん】 そうですよね。さっき紹介した『永遠の生命の世界』では、霊子線が、まだつながっているにも関わらず、医者が脳死判定した患者から、平気で臓器を取り出して他の患者に移植するなど、これはもう殺人以外の何ものでもありませんよね。

【お助けマン】 そうですよ。先回、小説『揺らぎ』から少し紹介させてもらったけど、プラトン『国家』編の中に、エルという青年が、約二週間後に息を吹き返したとの記述がありましたが、もう少し詳しい記述が、経典『理想国家日本の条件』の52ページの「エルの物語」に書かれていましたので、そこを朗読します。

今から二千四百年近い昔のこと、ギリシャにエルという名の若者が住んでいました。エルはあるとき戦場に出かけ、不運にも仲間とともに死んでしまいました。そして、エルの亡骸(なきがら)は、他の兵士たちの亡骸とともに故郷の村に帰ってきました。しかし不思議なことに、他の兵士たちの死体はどんどん傷んでいったのにもかかわらず、このエルという若者の死体は、十日経っても血色がよく、体もまるで生きているかのように見えました。両親をはじめまわりの者たちは、大変不思議に思いましたが、死体となってすでに十日を過ぎたので、十二日目に、まきを井桁(いげた)に組んで、エルの死体を乗せ、火をつけてほうむろうとしました。ところが、火をつけてパチパチと燃え上がったときに、死体であったはずのエルが、突如、息を吹き返したのです。まわりの者たちはたいへん驚きましたが、このエルと言う若者の口から出て来た話し聞いて、もっと驚くことになりました。エルはその十二日間、肉体を離れて、あの世の世界を見て来たというのです。
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ところで、死体となって十二日になるのもかかわらず、エルが生き返ることができたのは、すでに肉体においては死んでいたが、魂と肉体とをつないでいる霊子線という一本の銀色の糸が切れていなかったからであり、そして、あの世の天使たちから、「あなたには、この世界で見た経験を、地上にいる人たちに伝える仕事が残ってるから、もう一度帰りなさい」と言われたからに他なりません。


【Kさん】 本当ですね。戦死したほかの兵隊の肉体は傷んでくるにもかかわらず、青年エルの肉体だけは傷まなかったのですね。

【お助けマン】 そうです。ただ、この現象は誰にでも起きる訳ではなく、やはり天上界の計画があって、かつ、天使たちの働きがあって初めて出来ることなんです。つまり、エルという青年に、霊界探訪記を語らせるためのものだったという天上界の計画のもとに行われたということなんです。

【Kさん】 じゃ、大川総裁の場合は、天上界のトップであられるので、ご自分の意志によって、どうするかをお決めになるのではないですか?

【お助けマン】 いいところに気が付きましたね。そのとおりですよ。天上界の高級諸霊が決めることではなくて、大川総裁がご自身でお決めになることだ思います。

【Kさん】 じゃ、私たちにできることとは?

【お助けマン】 それが、先回、小説『揺らぎ』の一節を紹介しましたが、校医の鴨大吉先生が言っていたように、私たちができることは「祈る」ことしかないということなんですよ。それと、先回にご紹介した仏陀が天上界の忉利天(とうりてん)に3か月居られたあと、地上界にお戻りになったきっかけは、仏陀に対して「どうぞ法をお説きください」という真摯な思いである祈りが必要ということではないでしょうか。

【Kさん】 なるほど。だから、毎日、復活の祈りを継続しているのですね。よく分かりました。

【お助けマン】 だから、霊子線がつながっているので、医者がいくら死亡判定したとしても、霊的には死んでないということなんですよ。それは、動物だって、植物だって、生きている限り腐ることはないし、枯れることもないでしょ。ところが、死んだら同じ細胞なのに急に腐るじゃないですか。それは、単なるたんぱく質や脂肪などだけで論じることはできないことを意味しているのです。これが真実ということです。
 フランケンシュタインだって、墓場から新しい人間の肉体パーツを集めてつなぎ合わせたら生きて動くかと言えば、それは無理なんですよ。だって、霊子線はなく、魂も入ってはいなければ、それは肉屋のケースに陳列されている肉と同じということなんです。

【Kさん】 はい、よく分かりました。それなら益々復活の祈りに主エル・カンターレに対する愛の念いが入ります。分かりやすく教えていただきありがとうございました。今日はこれで帰ります。

と、言ってKさんは帰って行かれました。
それにしても、何と医学の無知なことよ。最高学府の難関と言われる医学部を卒業した人たちが、なぜ、二千年以上も昔のプラトンが国家で言ったことすら理解できないのでしょうか。それは迷信だとでも思っているのでしょうか。
人類は、進化してきたのか退化してきたのか、これは大いに議論されなければならない問題と思います。だからこそ、できるだけ早く真理を医学界や知識人にも広めなければ、これからも無知・無明による愚行が繰り返されるでのはないでしょうか。
医学界へも伝道を急がなければならないと強く思った次第です。

では、問答はまた次回にも続きます。

(終わり)