消費税増税という日本経済自爆の愚

元ジャーナリストのAさんがやって来られました。 Aさんは、ここにきて消費税が増税される雰囲気になってきたので、改めてその是非を聞きに来られたのです。
以下は、Aさんとの会話の内容です。

【Aさん】 2020年に東京でオリンピックが開催されることになって、本当に嬉しいよ。 日本は大震災もあったし、民主党不況もあって、ここのところ、皆、 自信をなくしていただけに、嬉しさもひとしおだね。何か、急に日本中が明るくなったみたいだよ。

【お助けマン】 はい、私も同感です。 考えてみれば、日本が戦後大発展した要因には、やはり1964年の東京オリンピックや1972年の大阪万博の開催があったと思います。 もちろんそれらによって建物やインフラの整備需要が増えて経済が活性化されたこともありますが、 国民の心に世界的イベントを成功させようという目標と希望が与えられたことが大きかったと思います。

【Aさん】 そうだよ。だから、ここにきて日本にまた「やる気」が出てきたみたいだね。

【お助けマン】 ところが、何と鳩山元首相は、”オリンピックは時代錯誤だ”と発言していたと聞いています。 このような人間を国のトップに選んだならば、国全体が厄病神につかれたみたいで災いが起きるのは当然でしょう。

【Aさん】 いやいや耳が痛いよ。その鳩山民主党を持ち上げたのはマスコミであり我々ジャーナリストだったのだからね。 その当時、オバマが「チェンジ」と言う言葉を使ったので、 日本における政権交代も「チェンジ」だからいいと思って、皆、だまされたんだ。

【お助けマン】 「チェンジ」という言葉自体は何も悪くはないし、むしろ、変化することは好ましいことでもあります。 しかしながら、「チェンジ」する中身が問題なのです。
いいほうに変わるなら良いのですが、 民主党は、悪いほうに皆「チェンジ」して行ったのです。 そして、この「チェンジ」に対してマスコミも知識人も全く正しく分析ができなかったということが真相です。 ここは反省がいるでしょうね。

【Aさん】 そうか。やはり言葉だけで判断するのじゃなくて中身が大事なんだ。
ところでだ、今、消費税の増税を来年の4月に実施するか否かを、この10月に安倍首相が決断することになってるんだが、 ここのところの統計発表では、どうも増税を後押ししているようで・・・。あんた、どう思うの?

【お助けマン】 はい、私は、もちろん消費税の増税には反対です。 だって、20年来続いたデフレからの脱却判断を、半年程度のGDP統計や東京オリンピックの決定だけで 判断するのは危険だと思っています。 一番肝心なのは、勤労者の給与所得の統計です。実は、これが今GDP統計と並列して積極的に取り上げられていないのです。 かつて日本は強烈なインフレを体験しました。そのとき物価が上がりましたが給与も上がったのです。 しかしながら、今のところ給与所得は上がっていません。
ですから、このようなアンフェアーな報道の中で判断するのは危ないと思っています。

【Aさん】 なるほどね。そう言えば、僕の元同僚なんかは、ここ数年間給料が上がってないと言っていたもんね。

【お助けマン】 そうです。ですから、消費税増税のための雰囲気が作られている可能性があるということです。
それでもし、消費税が上げられたならば、消費者は買い控えをしますので、 その結果、企業の売上が落ちることになります。 売上が落ちると、企業は生き残れないので、従業員の削減を行います。その結果、失業者が増えます。 失業者が増えると、今度は政府が面倒をみないといけないのでまた増税をかける、 するとまた不況になって失業者が増える・・・、というように悪循環になるということなのです。
そこのところを大川総裁が述べられているところがありますので、ご紹介します。

書籍 『政治と宗教の大統合』の184ページに次のようにあります。

「国を富ませながら、徴税権を固め、国の税収を増やす」というのは、よいことであり、悪いことではないので、 私も反対ではありません。
ところが、国を貧しくしながら、税収を増やそうとするのは、悪い政治家の考え方です。 これでよいのならば、日本は、「国を豊かにできず、国民が疲弊したままに置かれている北朝鮮」と同じような国になってしまいます。
今なすべきことは、国を豊かにする方策を打ち出すことです。しかし、そういう方策は、今のところ、まったく出てきていません。 これではいけないのです。
日本の経済は、この二十年間、ほとんど冷え込んでいます。さらには、東日本大震災があり、国民が弱っているので、 今は増税の時期ではありません。

とあり、今の時期に消費税の増税は悪であると明確なのです。

【Aさん】 なるほどねぇー。でも、何でこんな簡単なことが頭がいいはずの学者や高級官僚に分らないのかね。

【お助けマン】 このように論理的に説明すれば理解できることなのですが、 言葉だけで判断したり、雰囲気や「空気」で判断すると誤ってしまうということなのです。

【Aさん】 ところで大川総裁は、何で、学者にとって難しいことを一般の人たちにも分り易くお話しできるのかね。

【お助けマン】 それは「悟り」だと思いますよ。

【Aさん】 悟り?

【お助けマン】 はい、悟りです。実は政治も宗教もある意味で似ているところがあるのです。 その目的は「幸福」だからです。それを、信仰と心の世界から説いたのが宗教であり、 それを、社会にどのように実現するかという実践面から説いたのが政治だからです。
実は、その両者の根本に信仰と心があり、そして、それを土台にして智慧があり、そのまた智慧を土台にして実践があるのです。 ですから、智慧がなければ実践はまったく意味がないものになってしまいます。いや、逆に害になることすらあります。 実は、私たちは、これを民主党政権の数々の愚策で経験しました。
財源の裏付けのない子供手当ての空約束、コンクリートから人へ言ったとたんに大津波、 米軍基地の最低でも県外移設と言ったとたんに中国や北朝鮮からの脅威・・・、 これらは智慧がないことによって引き起こされた災難です。
その智慧と言われているものが、宗教の世界では「悟り」と言われますが、 悟りは心の世界のみならず、現実の世界においても必要不可欠の力なのです。 ですから智慧や悟りがなければ、政治だってダッチロールは免れません。

【Aさん】 だから、「政治と宗教の大統合」なのか・・・。 日本では政治と宗教は政教分離規定によって一緒にしてはならないと思っているけど、本来は一緒のものなんだね。

【お助けマン】 ですから、悟りのない政治が堂々と行われているのです。 そして、大失敗して悟りが無かったことにやっと気が付くことの繰り返しです。

【Aさん】 そうか、民主党の大失敗は智慧の無さ、悟りの無さの結果だったんだ。

【お助けマン】 つまり、施策を実践するに当たって、その論理的な整合性について説明ができるのか、 あるいは、うまくいくだろう、何とかなるだろうという程度での認識しかないのか、実はこれが大事なのです。 そして、その論理的整合性を知る力こそが智慧、あるいは悟りと呼ばれるものなのです。
仏教には、「焼け火箸のたとえ」があります。このたとえは、焼け火箸の熱さを知ってそれを握るのと、 その熱さを知らないで握るのとではどちらがダメージが大きいかということで、 知らないことの罪の大きさを知らしめるために使われるたとえですが、 一度経験してしまったならば、それ以降は賢くなって同じ過ちを犯すことがなくなるという意味でも使われます。
つまり、国民は、4年前に「チェンジ」という言葉の雰囲気で民主党を選び、そして今、その党の愚かさを知ったわけですが、 今また、消費税を増税すればどのような世界が現れるのか、その因果関係を確認することなく再び同じ過ちを犯そうとしています。 それが今、問われているのだと思います。

【Aさん】 そういうことか。愚かにも焼け火箸を何度も握るのですかということが問われているんだ。

【お助けマン】 そうです。もちろん焼け火箸を握らないことが一番ですが、 たとえ握ったとしてももう二度と握らないと”悟る”ことが大事なのです。 つまり、過去の過ちに対して充分に反省をして、そして、それから教訓を得て智慧にしていかないといけないということです。

【Aさん】 そう言えば、マスコミは、今では盛んに民主党をたたいているけど、 その当時、持ち上げたのは自分たちだったという反省の言葉は聞いたことがないね。

【お助けマン】 そのとおりです。 間違いを犯したことは、その当時の世界の空気から言えば仕方がなかったことかも知れませんが、 ではなぜ間違ったのか、それに対する冷静な分析と反省が必要なのです。

【Aさん】 それがないと、また焼け火箸を握ることになると・・・。、

【お助けマン】 そうです。 昔、 「塀のなかの懲りない面々」という安部譲二さんの本があって映画にもなりましたが、 反省しなければ何度も同じ過ちを犯すことになるということです。

【Aさん】 それで、また消費税の増税か・・・。 これじゃ進歩がないよ。何か参考になるメッセージはないのかね。

【お助けマン】 そこなんです! 数は少ないですが大川総裁をはじめとして世の中の心あるリーダがメッセージを発しておられます。 しかし残念ながら無視される場合が多いのです。 そこで、異次元パワーなどをともなった超常現象によって、天からの警告が発せられるのです。 これは、同時に神や仏の存在証明にもなるでしょう。
例えば、村山政権のときに阪神淡路大震災がありましたし、また、民主党政権のときに東日本の大震災もありました。 それらの災害が起きる前に、この政権は間違っているというしっかりとした天からの啓示や警告があったにも係わらず、 その警告を無視したために起きました。 そして、今回も、 猛暑、豪雨、 花火の中止、竜巻、そして、 巨大地震の誤報と鳥島近海地震と色々ありました。

【Aさん】 さらに、今台風が来ているし・・・。

【お助けマン】 そうです。気がつくまで次から次へと警告は続くでしょう。

【Aさん】 つまり、もしこれらの天の警告に従わなかったならば、さらに大きな反動が来ると・・・。

【お助けマン】 そうです。次は、 さらに大きな反作用が起きるのではないかと思います。 それも、この10月に出される消費税増税の決断によって決まる可能性が高いということです!

【Aさん】 いや、これは大変な決断だ。日本の将来がかかっているんだ。 だから、何としても消費税の増税は阻止しないといけないということだよね。
今日は本当によく分ったよ。まだ間に合うかも知れないので、 これから昔の仲間に伝えにいくよ。ありがとう。

と、言ってAさんは帰られました。
今回は、あらためて消費税増税の意味を知ることができました。 それにしても日本国民は、何度、焼け火箸を握ればもう二度と握らないと思うことができるのでしょうか。 それほど愚かな国民であると私は思っていませんが、 何度もダメージを受けなければ悟れないと思うと情けなくなってしまいます。 しかしながら、気が付く人が一人でも多く出て来てくれるならば、まだまだ日本には希望があると思っています。

では、次回も問答が続きます。  主エル・カンターレに感謝。

(終わり)